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火と水の祭典「那智の扇祭り」

2015年7月22日

那智の扇祭りの概要

日時 2015年7月14日※毎年同日。
概要 全国3000以上ある熊野神社の総本社のひとつ、熊野那智大社で行われる例大祭の行事。熊野那智大社から御滝前の飛滝神社に年に一度の里帰りの様子を表したもので、神輿の渡御とそれを清める大松明の動きが非常に勇壮。御火行事の前には「大和舞」や国指定重要無形民俗文化財・ユネスコ無形文化遺産の「那智田楽」が行われ、こちらも田楽舞創成期の形を残す、非常に貴重な行事。

レポート

今年から国の重要無形民俗文化財に指定された那智の扇祭り。大松明が火の粉をまき散らしながら参道を駆け上る姿から、「那智の火祭り」という呼称の方が有名ですよね。
古代から修験道として篤く信仰を集めてきた熊野の地、そしてその象徴でもある壮麗な那智の滝の前で行われる祭り。
これは何としても、現地で体全部を使って感じてみたい。
迷いなく横浜から熊野方面行きの夜行バスを予約。

那智山行きのバスが発着する和歌山県那智勝浦町(駅名は紀伊勝浦)は、熊野詣の拠点であるだけでなく、マグロ漁でも有名なところ。漁港で行われる朝市は活気があるし、勝浦温泉や数々の奇岩が見どころの紀の松島めぐり遊覧船などもあり、紀伊半島の中でも有数の観光地のひとつです。

紀伊勝浦駅。前日は熊野古道を歩き、ここで前泊。

しっかし、尋常じゃなく暑い…!!
那智山行きの始発便が出る朝6時半過ぎの時点で既に28度。台風11号接近の影響で湿った空気が流れ込み、すごい湿気。暑い、やばい、暑い、、こんな状況で今日一日大丈夫なのか…

駅目の前にあるバスのりば。ここからは熊野を巡る観光バスも出ている。

ところがバスが走り出すと、車窓の景色は海沿いの町並みから涼しげな山の風景に一転。
熊野の濃緑な原生林が視界いっぱいに広がります。

朝もやに包まれた熊野の山々。

那智山へは大門坂と呼ばれる登山口から入山。

美しい景色を堪能していると、25分程で今回のメイン舞台である飛瀧(ひろう)神社に到着。
あたりは穏やかで清廉な空気が立ちこみ、木々の色鮮やかさに目を奪われます。

陽の光をいっぱいに浴びてまばゆいばかり。

祭礼の工程表も掲示されてました。

手書きの字がかっこいい。

そのまま涼やかな参道を下り、御滝の前へ。飛瀧神社は那智の滝そのものをご神体として祀っていて、ここより400mほど高い位置にある那智大社のご神霊の、本来の鎮座地なんですね。那智の扇祭りは年に一度、大社よりこの御滝へ里帰りの渡御を行うものなんです。

まっすぐに流れる那智の滝。

正直、この御滝を見られただけで胸がいっぱいになります。133mの高さから一筋の垂直線を描き、まっすぐにたおやかに流れて行く姿。大きな音の中に不思議と静寂を強く感じ、心が鎮まっていくのを感じる。
日本には数々の名瀑がありますが、那智の滝はご神体になるだけの、人を魅了する何か大きな力が間違いなくあると思います。

ただ残念なのは、2011年の大洪水の影響で滝壺周辺の形が変わってしまった点。その前に来た時には苔むした大石が重なり合い、むせるような濃い緑と水とのコントラストが美しかったのですが、どうやらそれらは流されてしまったようでした。これからゆっくりと、また時間をかけて緑の姿が再生されていくのが楽しみです。

さて、これだけ早く来たのも実は観覧場所をおさえるため。いつもはこんなことしないんですが、那智の扇祭りは参道を大松明と扇神輿が激しく行き来して行われるため、祭礼中は参道を封鎖するんですね。
なので見物人は参道の石垣の外や社務所脇の限られたスペースにあらかじめ自分の居場所をつくっておかないと、祭礼そのものがあまりよく見えない、なんてことになりかねないのです…。

御滝前での祭礼は14時からだというのに、朝7時の時点で既にこんな様子。

カメラマンの場所取り戦争がすでに勃発している模様。

邪魔にならなそうな参道脇中腹に荷を置いて、さっさと本社参拝へ向かいます。

那智山の至る所でみる立て看板。愛ある口調が好き。

本社までの石段をヒィヒィいいながら登ると10時から始まる神輿立(御本社大前の儀)の練習が始まっていました。

こんな感じの石段が結構続く。

紫の着流しがカッコイイ。しかしなぜ漁師風の出で立ちなんだろう?

那智の神輿は全国でも珍しい「扇(おうぎ)神輿」。そう、なんとこの細長いのが神輿なんです。
幅1m・長さ約6mで御滝の姿に見立てた縦長の木枠に布を張り、金地に朱の日の丸を描いた扇や鏡、檜扇の造花を装飾した12体の神輿が用意されます。これは1体でひと月を示していて、12体で1年全体を表していることによります。さらに華やかに飾り立てている扇の数は30で旧暦におけるひと月の日数を示し、これらを組み立てる際に用いる竹の釘は旧暦の年間日数である360本からなるのだとか。

朱と金で彩られた社殿と神輿の彩りがバックの緑によく映える。

神輿の立て方にはどうやら厳格な決まりがあるらしい。神輿1体に4人1組が担当し、そのうちの1人が投げ上げるような形で一気に立てるのですが、これが変に斜めになったりもたついたりするとNG。組頭の方が拡声器片手に「はい、やりなおしー」とか「おっ、これはOK」とか細かい指導を挟みながらジャッジしてました。

ハチマキと襷をかけた組頭に指導を受ける。

そうしてしばらく見学していると宝物殿入口脇に大松明が並んでいるのを発見!
まじまじと観察していると、近くにいた巫女さんが丁寧に解説してくれました。大松明は扇神輿と同様に12体用意され、直径50cmの最も太い第1番から徐々に細くなっていく。重さも約50kg〜30kgで幅があり、第1番に選ばれた人は相当の覚悟を持って臨むのだとのこと。
飛瀧神社の参道石段は手ぶらで健脚の人でも、息が切れる程にはきつい坂。頭上に燃え盛る炎をたたえながらの50kgというのはかなり、しんどいぞ…。

墨で書かれた名前は担ぎ手を示す。

造形的にもこの松明はとてもとても美しい。
長さ1mほどの桧の板を束ねたもので、竹の輪で外周をきつく締めた後、接着剤は一切使わずに隙間に木片を詰め、上からカンナをかけることによって造られているのだそうです。もちろんこれに必要な技術は非常に高く、那智の宮大工によるものだとのこと。
10数分もすれば燃え尽きてしまうものに対しての、この綿密な造作。ただただ感嘆するばかりでした。

さて神事の流れは大体見れたので、10時からの本番は我慢。参道を下ったあたりで休憩をはさんでこれからに備えます。

いい感じに月日を感じさせる喫茶店。店主が超気さく。

再度参道を登り、大社境内にある舞殿へ。11時から大和舞という稚児舞と、那智田楽が奉奏されます。

舞台はこんな感じ。四隅にある竹で出来た飾りが気になる…。

巫女舞(大直日の歌)

大和舞は「斎主舞(那瀑の歌)」「巫女舞(大直日の歌)」「沙庭舞(有馬窟の歌・花窟の歌)」から構成されていて、地区の小学生男女によって奉納されるもの。時折不安そうにお互いの舞をチラチラと確認し合っている姿があどけなくて可愛らしかったです。

沙庭舞(有馬窟の歌・花窟の歌)

さて今回第2の目当てである那智田楽、こちらは国指定重要無形民俗文化財であり、ユネスコの無形文化遺産にも指定されています。
全22曲からなる構成ですが、1曲3〜7分程の計40分間でかなりさくさく進む印象でした。
笛1人、笛控1人、ササラ4人、太鼓4人(腰太鼓)、シテテン(小鼓)2人の計12人で、この田楽の奉仕者は全員大松明の持ち手が行うと決まってるとのこと。
ビンザサラ(薄板を束ねて作った楽器)のしゃんしゃんという歯切れのいい音や太鼓・笛、舞台を足で激しく打ち鳴らす音、さらさらとした衣擦れや「スッ、フッ」といった呼吸音が静寂の中に響きます。

舞台に掲示されている番組表。

田楽はもともと農家の人々が五穀豊穣を願って始めたもので、大陸からもたらされたものだとか、田遊び(実際の田植えが始まる前に一連の農耕所作を模擬的に再現して五穀豊穣を願う予祝の芸能)から派生したとか、あるいはそのどちらもとか、様々な説があります。

那智大社が発行しているパンフレットには、那智田楽は室町時代に京都から田楽法師(田楽舞で興行する者)を招いて習得したものであると記載がありました。田楽は平安時代に成立した後、特に鎌倉・室町時代に京都で大流行しますが、時代が経つにつれその姿も変化していき、その原型を探るのは今日ではとても困難。那智の田楽はその創成期の姿を伝える希少なものとして文化財に登録されているそうです。
見ていると繊細で洗練された楽器の扱い方やなめらかな摺り足での体さばき、曲ごとに異なる複雑な陣形の描き方などから、舞台用に非常に高度に完成された芸能だなぁと感じました。

第7節「本座駒引(ほんざこまびき)」。太鼓を打ち鳴らしながら軽やかに舞う。

ササラを扱う所作も美しい。

番外「休憩 2のシテテン太鼓衆を煽ぐ」。これ面白い!構成に「休憩」が組み込まれているのは初めてみた(笑)

第17節「本座鹿の子(ほんざかのこ)」。ササラと太鼓が輪になって足を振り上げながら踊る。

シテテン。紙すだれから覘く顔にゾクッとするような怖さと美しさを感じる。

次は田植え式。ゴザを四角に敷いた区画を田に見立て、田植えの模擬を行います。
農耕に似た所作のない田楽と比べてこちらは比較的分かりやすいですが、青萱で荒く編んだ笠や古農具を見るに非常に原始的で簡素な様子から、こちらの方が歴史は古いのではないのかなと感じます。

一直線に並んで出番待ち。私も牛頭被らせてもらいたかった…。

太鼓を先頭に田植え歌を歌いながらゴザの上をぐるぐるまわる。牛は時折「モォー!」と観客席に突っ込んだりして周囲を楽しませる。

どこか緊張感のある田楽と比べてなんだかとってもリラックスした雰囲気。
これから田植えの所作を行うのかなと思いきや、このまま何周かした後、拡声器で「はい、これで田植えが終わりましたー。」と案内。一行も「ふー、疲れた」とそのまま退場。なかなかシュール。

そしてこれでおしまいかな?と思っていると、田長(検見)による田植え状況の検分が始まりました。
同じくぐるぐるまわりながら、「千年万年、あ〜っぱれあっぱれ〜〜」と声を張り上げます。
周りもそれに合わせて「あ〜っぱれあっぱれ〜〜」と呼応するように促される。
するとなんだか不思議と、とっても縁起の良い雰囲気というか幸せな心地というか、こりゃ〜豊作間違い無し!みたいな気分にさせられるんですよね。

いかにも満足といった表情や歩き方、体つきはまさに長(おさ)の風格。たまにおどけて周囲を笑かす。

これで一連の田植え式も終了。時刻は12時半。
13時には飛滝神社の参道が通行止めになるので、残りの神事は涙を飲んで我慢。参道を下って急ぎます。
ちなみにこの後境内では扇神輿降神の儀が行われ、大松明や神輿の一行が飛瀧神社へ下ってくる流れです。

13時前に飛瀧神社参道に到着すると、石段には水を張った手桶が。
これはクライマックスの御火行事が始まった際、大松明の持ち手に水をかけるためのもののようです。

等間隔に並んでいる。

しばし涼しい参道で体を冷ましながら、待つこと備えること30分。
わぁっという歓声が石段の上の方で聴こえます。どうやら一行が到着し、伏拝み扇立神事(第1から第12扇まで扇を開くように順に立て起こす儀式)が始まった模様。位置的にこれはどうしても見れないので、朝に練習風景が見れて良かった!
またそれと同時に、大松明と神職の一行のみが参道を下ってきました。

第1番の大松明を先頭にゆっくりと石段を降りてくる。圧巻!

続いて神職一行。

うおー、1番、重そう…。。

後ろから見るとこんな構造なんですね。

一行が御滝前まで下りると、「一・二・三の使発進」。
3組の使いが順次、火を灯した松明を手に石段を素早く登っていきます。扇神輿の迎えの使いなのだそう。

一の使。

三の使。ん?なんか渡してる?

何かを渡したり放り投げたりして、それを観客が奪い取っている…。
無事ゲットできた人に見せてもらったのがこれ。持って帰って神棚に飾ると良いらしいです。いーなー。

造形が素敵。神輿と同じ材料で作られているらしい。

一・二・三の使は石段上部で火合わせを行い、再び御滝本へ下ります。

使いを迎える「使い受け役」。

この後、使い・使い受け役は松明の火付け場に向かい、いよいよ大松明に点灯!

時刻はきっかり14時!待ちに待った御火行事の開始です!!
ここからはめちゃくちゃスピーディに物事が展開して行くのでカメラ構えるのもやっと。

気がつけばいつのまに下り始めている神輿一行。

馬扇(うまおうぎ)を先頭に神輿一行がぞろぞろと下ってくる。

そして熱気にハッと振り返れば下からは火を灯した大松明の群れがものすごい勢いで駆け上がってきます!

ゴウゴウと唸る炎。

そして神輿の一行と合流したかと思えば…松明をたたきつけた!!??

バッシャァアアアと火の粉をまき散らす。

一瞬あまりの熱さ&重さに耐えかねて落としてしまったのかと思いましたが、次から次へとみんなたたきつけてる!
その度に火の粉がバンバン飛んできて、そのエネルギーに引っ張られて観客側も興奮が抑えられません。
火そのものに祓い清める力が備わっているとされているため、わざと火の粉を神輿に浴びているんですね。大松明の一行は石段の上を円陣を描きながらぐるぐるとまわり、ものすごいエネルギーの応酬を感じさせます。

第1の松明がたたきつけられると、それに呼応して第1の扇神輿が立ち上がる。

神輿の前を先導する役は日の丸の扇子を開いて「ハリヤ!ハリヤ!」という掛け声をかけ、松明の炎を煽ぎながら徐々に松明を滝側へ押し立ててゆきます。一方で火払いの役は手桶のから松明役に水をかけ、火の粉を消しながら補佐。

松明にも担ぎ手にも水を浴びせかけて、みんなびっしょり。

あっという間に第9扇まで立ち上がりました!

神輿側は大松明を押し出すように石段を下って行く。

滝に見立てた巨大な神輿が御滝へ向かって行く様は、ただただ壮観。

すべての神輿が立ち上がり、大松明が完全に引き上げられると、御火行事は終了。開始からものの10分強といったところでしょうか。とにかくあっという間の出来事でした。

扇神輿は滝に背を向けて仮設の祭壇前に立てかけられます。

神輿や御滝に向かって神饌が捧げられる神饌御滝本大前の儀の間、参道の立ち入り規制も解除され、石段を下ることが出来ます。
近くまで下りて来れたな〜と改めて辺りを見回すと…

!?何してんの…

真っ黒ですけど…

どうやら松明から落ちた墨を体に塗りたくるという謎の儀式が子供たちの間で執り行われているらしい…

神事が終わると、ゴザを引いて今度は田刈式が行われます。
御田植式と同じく、みんなおどけたりしながら行うので、先ほどまでの緊張感はなく、とってものんびりした雰囲気が漂います。

御田植式と同じ構成で田刈歌を歌いながらゴザの上を数回周る。

笛の楽譜がちらり。黒くなった部分は松明の炭でしょうか。

そしてまた田長。同じく「千年万年、あ〜っぱれあっぱれ〜〜」。う〜ん気持ちいい!

!?顔、、一体なんなの、この炭塗りの儀式は…。でも茶目っ気たっぷりの良い顔だなぁ〜〜( ◜◡‾ )

そしてラスト、「那瀑の舞」。これは田楽と同様、大松明の担ぎ手によって行われます。

日の丸の扇子を手に、御滝御幸の歌を唱える。

ひとつひとつの所作が機敏かつなめらかでとても美しい。

これで御滝前での一連の行事が終了。扇神輿を本社まで還御してすべての行程が完了となります。

また神輿がひとつひとつ戻されて行く。

やりきった〜!と皆表情が柔らか。

里帰りを果たした御神霊を本社へ還御。

馬扇も還御。

松明の皆さん、本当にお疲れさまでした。

祭壇脇の火付場には燃え尽きた大松明。これも後ほど本社へ持ち帰られる。

一行が石段を上って行くのを見送り、ひと呼吸。
呆然としながら滝をまた見上げ、今自分が見たものは何だったんだろうと振り返る。

熊野は豊かな土地だ。水に溢れ、緑は蒼蒼と茂り、さまざまな動植物が繁茂している。
一歩踏み入れるだけで生のエネルギーにむせ返りそうになるほど。
古代の人々は、現代人よりもずっと感性豊かに自然と会話をしていたというけれど、神聖な自然の象徴であるこの那智の滝の使いとして、炎という、水に相反する元素が参道を清めながら神々を迎えるという構図は何を表そうとして行われたものだったんだろう。
きっと、自然が太古から紡いできたエネルギーの循環を、古代の人々が肌で感じ取り、それを「火」と「水」という自然元素を用いて象徴的に祭礼に用いることで人の世にも力の再生・継続を願ったことが始まりなんじゃないだろうか。
原始的ながらも非常に洗練された儀礼や道具といった要素、全体の構成からは、何か原初的な信仰の姿を感じとることができたように感じる。「水」と「火」の大きなエネルギーの調和と拮抗が空間全体を揺り動かしているかのような、そんな時間でした。

最後に飛滝神社の拝殿でお参りをし、下山。
いやー。。本当に脳がとろけそうな程、ものすごい祭礼でした。

ご神体の滝が正面にくる造りになっている拝殿。正面で拝礼すると、奥が開けており、逆光の中に滝を覘く形となってとても壮麗。

那智の扇祭の行程は下記になります。
スケジュールは毎年同じなので、ぜひ参考にしてみてください。

那智の扇祭り当日行程

10時
(御本社)
御本社大前の儀
熊野の神々12神に神饌を供え祈念する儀式。
11時
(御本社)
大和舞(稚児舞)
稚児による舞の奉納。「斎主舞(那瀑の歌)」「巫女舞(大直日の歌)」「沙庭舞(有馬窟の歌・花窟の歌)」からなる。
11時30分
(御本社)
那智田楽
国指定重要無形民俗文化財。笛1人、笛控1人、ササラ4人、太鼓4人(腰太鼓)、シテテン(小鼓)2人の計12人によって、全22節からなる田楽舞が行われる。
12時15分
(御本社)
御田植式
木製牛頭・農道具等を持ち、笛・太鼓にあわせて田植歌を歌いながら田に見立てたゴザの上を周る。その後田長(検見)が検分する。
13時
(御本社)
扇神輿渡御祭
大社本殿前に扇神輿を飾り立て、降神の儀を行う。
13時30分
(伏拝)
伏拝み扇立神事
飛滝神社参道脇に用意された伏拝にて、本社より担ぎ運ばれた扇神輿の第1扇から第12扇まで扇を開くように順次立て起こして飾る。なお、ここから共にに本社から担ぎだされた大松明・神職は御滝本に先行。
13時50分
(御滝本)
一・二・三の使発進
カラス帽をかぶった神職が3組の使の松明に火を点じて順次出発させる。
13時57分
(御滝本)
光ヶ峰遥拝神事
カラス帽をかぶった神職が光ヶ峰遥拝所に神饌を献上し、遥拝する。
14時
(御滝本)
御火行事
一・二・三の使が御滝本まで帰り、それを使受けと答礼の所作を行う。使・使受けは大松明に点火し、順次御滝本から石段を上り、扇神輿と出会い、清めながら各自列になり、円を描きながら石段を下って引き上げる。一連の神事のクライマックス。
14時17分
(御滝本)
扇褒め神事
カラス帽をかぶった神職が石段を下り終えた扇神輿それぞれに添えられた第8神鏡を打つ所作を行う。これを終えた神輿は御滝本斎場に入り、飾り立てられる。
14時25分
(御滝斎場)
御滝本大前の儀
飛滝神社の大前に神饌を供えて祈念する儀式。
14時50分
(御滝本)
田刈式
御本社の田植式に続くもので、鎌を持って田刈り歌を歌いながら田に見立てたゴザの上を周る。その後田長(検見)が検分する。
14時55分
(御滝本)
那瀑舞
大松明を担いだ者によって行われる舞。日の丸の扇子を持ち、御滝御幸の歌を唱える。
15時
(御滝本)
扇神輿還御
扇神輿を本社へ還御する。
15時30分
(御滝本)
扇神輿還御祭
本社まで還御された扇神輿を本殿前に再び立てかけ、昇神の神事を行い、一連の祭礼の終了となる。

アクセス

会場 熊野那智大社
和歌山県東牟婁郡那智勝浦町那智山1
交通アクセス 紀伊勝浦駅から熊野交通路線バス「那智山行き」 約30分

(書き手・高橋亜弓)

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