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奥三河御園の花祭り|2013年11月9〜10日

2013年11月9日

奥三河御園の花祭り
頭から「てほへ」の無限ループが離れない。
険しい渓谷沿いに、天竜川の遥か上流の小川を眼下に覗きながら、山の奥へ深く深く分け入った先の秘境に奥三河御園地区がある。
到着したのは19時頃で、すでに祭りは始まっていた。
舞庭(まいど)と呼ばれる土間の中心につくられた竈に湯釜が置かれ、舞手はその湯釜のまわりで一晩中舞続ける。
神事を含めると演目は30を数え、衣装も面も様々で華やか。
特に山見鬼と朝鬼(茂吉鬼)の紅白の装束は本当に美しく、しびれるほどかっこいい!
中でも印象深いのは、舞手も囃し手もじっとみつめる観客も、みんな同じ目線の高さで、境がないこと。舞は土間で行われるのだ。そして盛り上がれば盛り上がるほど、ざぜちの美しい湯葢の下でおしくらまんじゅう状態になる。
「神遊び」という言葉を初めて知った。神仏の権現としての舞手と共に舞うことで神仏と交遊し、穢れを払われ清められ、生命力を回復させるのだそうだ。冬になり、エネルギーが沈下するなかで種種に再生を促す。
一緒になってお神酒を頂き、踊って歌って囃し立てる。
ハイライトは翌朝の9時頃、その場の全員が精魂尽きてる状態のなか始まるのが「湯ばやし」。何時間も舞い続けている若衆が、絞り出すようにさらに1時間程舞った後、一晩中かけて湯釜に溜め込んだエネルギー(湯)を、唐突に観客めがけて一斉にぶちまける。
自分たちが楽しくてやってる、とニカニカしながら舞手を励まし、煽る男衆たち。
全身ずぶ濡れになりながら、なんてすごい土地なんだろう、と、お酒の入ってガンガンする頭がしびれる。
よろずの神様と人とが全部一緒にもみくちゃになって生気を再爆発させる、本当に不思議な空間だった。
釜からあがる湯気と人の熱気が合わさって生み出された上昇気流が、円を描いてまた体に降りてくる、そういう渦があったと思う。
来月訪ねる、同じ湯立神楽系列の遠山郷霜月祭りには、是非昼の神事から見たい。